交通事故(むちうちの方)

交通事故に関する保険について

自賠責保険には、限度額がある

 自動車保険のは、強制保険といわれ、自動車を持つ全ての人に加入が義務付けれれている自賠責保険と、加入が義務づけられていない任意保険とがあります。

しかし、自賠責保険だけでは傷害による限度額が120万円、死亡による傷害でも3000万円が限度となっているため、多くのドライバーは万一に備えて、多くの場合、任意保険に加入しています(加入率は全国平均で約73%程度です)。

保険会社によって異なる、保険料と補償内容

 そこで迷うのが、どこの保険会社が良いとのかという点です。

各社より売れだされている保険は、補償内容から月々の保険料から独自で展開するサービス内容など、非常に細分化されているため、いったいどれが自分にとって得になり、必要となる補償内容なのか、良く分からないという方も多いようです。

各社のへ保険全てが同じ補償、同じ金額であれば迷うこともないと思います。

実は、1996年の「日米保険協議」において、1998年から自動車保険完全自由化することが決定するまでは各社同じ補償、同じ金額だったのでこのように迷うこともなかったのです。

自動車保険の完全自由化で、外資系の保険会社が参入

 しかし、この完全自由化を機に、続々と外資系の自動車保険会社が参入してくるようになったのです。

それに伴って、実に多くの自動車保険が増えてきました。

それまでは、横並びだった保険料や保険形態も各社が自由に決めることができるようになり、各保険会社も競うようにして、サービス内容の充実を図るようになってきました。

それによって様々なサービスを持った自動車保険が発売されるようになってきました。

自分が加入している自動車保険の内容を把握していますか?

 ところで皆さんは自分が加入している自動車保険のサービス内容をよく把握しておられるでしょうか?

加入する時には各社サービス内容を比較して詳しく調べたり、保険会社からもいろいろと説明を受けていたはずなのに、いざ自分が交通事故な遭ってしまい、必要となった時にはサービス内容を忘れてしまっていたということはよくあることです。

万一の時のためね、もう一度自動車保険の内容を確認しておこう

 交通事故が起きてしまった際の補償が手厚くなされているにも関わらず、自分は被害者なので加害者側の保険を使えば良いという認識で、自分の加入している保険会社には連絡することを忘れてしまったり、サービス内容を良く知らなかったりで、せっかく受けられる補償を受け損なったということはないでしょうか?

せっかく保険料の支払いをしているのですから、万一の時のために、もう一度、自分が加入している自動車保険サービス内容を確認しておかれることを奨めします。

自賠責保険が使えるのは、人を死傷させた人身事故だけ

 自賠責保険は、交通事故な遭ってしまった時に、被害者が最低限の補償を受けられるように、公道を走る全ての自動車やバイクに加入することが義務付けれれた保険で、一般に強制保険と呼ばれています。

自賠責保険は、加害者、被害者のどちらからでも請求することができますが、他人を死傷させたような人身事故による損傷についてのみ支払われ、物損事故に対しては支払われません。

ただ、被害者に重大な過失があった場合にしか「過失減額」はされないというメリットはあります。

被害者の過失も厳密に算定して過失相殺される任意保険と、この点は大きく異なることになります。

自賠責保険のおける「被害者」の定義は「ケガをした人」

 これまでに「被害者」という言葉が数多く出てきましたが、自賠責保険でいう「被害者」の定義とは、一般的な意味での被害者ではなく「ケガをした人」という意味でこの言葉を使用します。

従って、その人の過失割合が10割でない限り、一般的な意味での加害者でも、ケガをしていれば、自賠責保険では「被害者」として扱われますので、当然、自賠責保険が使えることになります。

自分のケガは自賠責保険では補償されない

 任意保険とは、加入が法律上義務付けられていない自動車保険のことです。

加入するかどうかは、自動車の所有者の意志に任せられており、加入しないことも可能です。

しかし、交通事故が起きてしまった場合、自賠責保険の限度額だけでは賄いきれないことが多い上、自分がケガした場合は自賠責保険では一切補償されません。

任意保険に加入していないと、自賠責の限度額を超えた場合自己負担となる

 自賠責保険で補償される金額は死亡による損害には3000万円まで、傷害には12万円までがそれぞれの限度額です。

万一、死亡事故を起こしてしまった場合、賠償額が1億を超えることも珍しくはなく、任意保険に加入しなければ、自賠責保険か3000万円を差し引いた残りの7000万円は自己負担で支払わなければなりません。

また、相手側に後遺障害残ってしまった場合、自賠責保険の限度額をはるかに超える高度な賠償金が認めれれしまうこともあります。

自分自身と家族のためにも任意保険にはぜひ加入を!

 そんな「自賠責保険」の不足分をカバーするのが「任意保険」です。

交通事故が起きてしまった時に、辛い思いをするのは被害者の家族でけではありません。

加害者本人やその家族もとれほど辛い立場に立つか考えてみましょう。

確かに、お金で全てが解決できるものではありませんが、それでも保険があることで救われることはたくさんあります。

万一の時に備えて「任意保険」に加入されることを強くお奨めします。

治療開始から一定期間が過ぎると治療費が打ち切られることがある

 自動車保険を使って治療を続けていて、一定期間(3~6ヶ月)が経過すると、まだ治療中なのに、損害保険会社から「治療打ち切り」の連絡が来ることがあります。

これは、損害保険会社が「むち打ち症などの傷病は、一般的には3ヶ月くらいで治るはず」という一方的な認識を持っていることがその理由だと思われます。

任意保険は自賠責保険で足りない分を補う

 交通事故による保険の仕組みとして、大きく分けて自賠責保険と任意保険の2種類があることをお話ししました。

自賠責保険は被害者の最低保障を確保する目的のもので、任意保険はその自賠責保険で足りない分を補うという性格を持っています。

自動車保険の「一括制度」

 かつて、自賠責保険と任意保険は全く別の保険であるため、一つの事故であっても二重の手続きをしなければなりませんでしたが、この手間を改善しようと、1973年に自賠責保険と任意保険の「一括制度」実施されました。

例えば、傷害による損害額が150万円だったとした場合、任意保険会社は自賠責保険分の120万円も含めて、被害者へ150万円を支払い、後日、任意保険会社は自賠責保険会社から120万円を回収(求償)するというものです。(任意保険会社は30万円を負担)

治療期間や費用がかかる理由を損害保険会社にきちんと理解してもらう

 この「一括制度」は、被害者自身が、自賠責保険、任意保険、それぞれに必要書類を提出する手間が省け、損害賠償金も早く受け取ることができます。

しかし、損害保険会社も慈善事業で行っているわけではありません。

不当な損害賠償請求や自分たちの会社からの支払が増えてきたら、当然ストップはかかってきます。

ここで大切なことは、必要があって治療を長引いていることや、その治療効果が上がっていること、費用がかかる理由などをきちんと損害保険会社側に説明しなければいけません。

まずは、通院している治療期間によく相談しましょう。

損害賠償の請求先は、一般的には加害車両側の任意保険会社

 交通事故で被害を受けた場合の損害賠償の請求先は、法的には加害者及加害車両の保有者となります。

しかし、実務的にはほとんどのケースで、加害車両に付保されていた任意保険会社が一括払いをしますので、任意保険会社に請求して下さい。

被害者本人が未成年の場合は、親権者が代理請求します。

また、被害者が死亡している場合は、被害者の相続人となる人が代理請求します。

被害者の相続人となるのは、①被害者の子や孫などの直系卑属、②父母・祖父母などの直系尊属(上記①の者がいなかった場合)、③兄弟姉妹(上記①及び②の者がいなかった場合)となります。

また、配偶者はどの場合でも、以上に人と共に相続人となります。

損害賠償は、直接の加害者以外にも請求できる

① 加害車両の運転者…車同士の交通事故や、出会い頭の交通事故に巻き込まれたような場合で、加害者が複数考えられる時には、被害者は加害者であるどの運転者にも損害賠償を請求することができます。

そして、十分な資力のある加害者だけを選ぶこともできますし、全ての加害者と交渉することもできます。

但し、何れかの加害者から全額の損害賠償を受けた場合は、他の加害者に請求することはできません。

② 運行供用者…自賠責法(自動車損害賠償保障法)上では、自動車を所有している人、使用する権利を持っている人、運行を行わせていることで利益を得ている人を運行供用者といいます。

車を貸した友人が交通事故を起こした場合の貸主、夫名義の車を妻が運転中に交通事故を起こした場合の夫、運転手が交通事故を起こした場合の、その運転手が所属するバス・タクシー・運送業などの会社などがこの運行供用者に当たります。

こうした運行供述者に請求することも可能です。

③ 使用者…会社の従業員が業務の執行中に交通事故を起こした場合は、その車が会社所有のものでなくても、会社には使用者責任が発生します。

運行供用者の賠償義務は人身損害しか対象になりませんが、使用者責任で、対人・対物の両方について賠償義務があります。

損害賠償には、「積極損害」「消極損害」「精神的障害」などがある

 損害賠償とは、交通事故な遭ってしまい、被害者が損害を受けるものに対して、または交通事故な遭ってケガをしなければ将来受けるはずだった利益などに対して請求できるものを指します。

その原則としては、「積極損害」(治療費、交通費、葬儀費用、車両修理費など)と、「消極損害」(休業損害、後遺症による逸失利益、休車補償など)という「財産的損害」の他に、「精神的損害」(傷害・入通院慰謝料、後遺傷害慰謝料、死亡慰謝料)などの項目で請求することができます。

被害者にも何割かの過失があった場合、過失相殺によって減額される

 しかし、実際の金額の算出は、加害者と被害者との過失割合を考慮して決められます。

一般に、車同士の交通事故が発生した場合、被害者にも何割かの交通事故の原因(過失)がある場合、被害者だけに損害を負担させることは適正ではなく、過失相殺によって被害者の過失に相応する分が減額されます。

例えば、加害者の過失割合が70%、被害者の過失割合が30%であった場合で、損害の総額が1000万円であったとしたら、この場合加害者は700万円の賠償を行えば良いことになります。

損害賠償として請求できる費用項目とその内容

積極侵害…積極損害には、応急手当や入通院の治療費、交通費、入院雑務などの治療関係費があり、必要であったと判断されるものであれば認められます。

また、入院に際して医師が付添人を必要と判断した場合は、付添看護費も認められます。

その際、付添人を雇った場合、実費の全額が認められますが、領収書などが必要です。

消極損害…休業損害/交通事故が原因で休業を余儀なくされ、給与や収入が減少した場合の損害です。

給与所得者は会社から入手した「休業損害証明書」で、自営/者は所得税確定申告書の控えなどで証明します。

主婦の休業損害は、賃金センサスの女子労働者の全年齢平均賃金を基礎に、家事労働ができなかった期間分を休業損害として請求できます。

逸失利益/後遺障害によって全く働けなくなったり、減収を招く場合、将来稼げたであろうお金を、一時金として現在価に直して算定したものが逸失利益です。

慰謝料…傷害慰謝料…入院期間や通院日数、傷害の程度などを考慮してその額が決められます。

後遺症害慰謝料/後遺症害が残ったことによる精神的な苦痛に対して補償しようというものです。

一級か十四級まで、等級に応じて支給されることになります。